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2020.04.01

[レポート] 第1回大人の学びなおし/文明 (2020/01/28)

ナゴヤ イノベーターズ ガレージでは、悩める現代のビジネスパーソンに向けて、識者を集めた「~大人の学び なおし~ デジタル時代の価値観を考えるリベラル・アーツ講座」を開講。キックオフ講演会には受講者のほぼ 全員が出席した。本講座は、1月28日(火)を皮切りに計10回開催し、人生100年時代に求められる「背骨」 となる価値観を考える機会を提供していく(領域:文明、音楽、メディア、歴史、哲学、倫理、宗教、絵画、文学)。

演題「天地文明の学び -老いも若きも事始め-」

◇講演要旨
1.ことば直し
文明とは古くからある漢語で、天地人が文(あや、美し い織物のような)をなし、明らかに輝いていることを言う。 人だけでなく、生命全体の賑わいが続く世を表している。 しかし、近代に「civilization」の訳語として「文明」の語が あてられてから、文明」の意味が貧しくなった。現代の課 題はそうした古典的な意味での“文明化”を復権させるこ とであり、そのための鍵は「ことば直し」である。1650年に 京都の安原貞室が著した『かたこと』でも、ことば直しが 提唱されたが、貞室が考えた「よき言葉」とは「、そのおり ふしと むかう人によるべきこと」、すなわち、天候をはじ め、その折々の状況と、話しかける相手の心情に応じて 言葉を選んで使いたいとしている。また、18世紀日本の ロングセラーとなった、大坂生まれの手紙指南書である 『文林節用筆海往来』では、編者の山本序周が、望ましい 文章則として、平明であること、正確であること、文字学 びを怠らぬこと、なだらかであること、卑しくないこと、を あげている。

2.全体を問う
文明化のためのもう一つの鍵は「全体を問うこと」で ある。鎖国期の日本では陰陽五行説風の宇宙的全体感 覚があった。すなわち、自分や他者が宇宙に占めるべき 位置や、それに応じた互いの相性を考える習いである。 単純に善悪に分類したり、優劣を競うのではなく。

3.まとめ
現代においても「よきことば」を求め、現代にふさわし い宇宙感覚を育てながら、人々が当面の利害を超えて 忌憚のない対話を続けることが、まずは第一歩か。

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