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2020.12.01
[レポート] 大人の学びなおし第2クール 第2回/歴史 (2020/11/18)
大人の学びなおし第2クールの第2回講義は、名古屋大学大学院 人文学研究科 梶原義実 准教授を講師に迎え、「考古学からみた人間行動と社会」(領域:歴史 -古代史)をテーマとして講演いただいた。
◇講演要旨
考古学とは、遺跡や遺物といった物質資料から人類の歴史をあきらかにする学問である。文字に書かれた歴史を読み解く文献史学と異なり、モノの観察結果から歴史を復元するためには、さまざまな手法が必要となり、近年AIの活用も期待される。
今回は、「飛鳥・奈良時代の瓦」から当時の公共事業をあきらかにする。この時代、文献資料も残っているが、中央政府に関する内容に偏っており、地域社会の実態などはモノから読み解く必要がある。
当時、最大の公共事業であった国分寺の造営。国分寺は、中央主導で各地に造営されたといわれているが、この定説に疑問を投げかけ、各地の国分寺と在地の寺院それぞれの瓦の文様を調査した。その結果、国分寺の瓦は中央系の文様もあるが、非中央系を使用している事例もあり、在地の寺院の文様とも深く関係していた。このことから、技術者派遣など本当に中央の積極的な関与があったのか?どのように、各地に国分寺が造営されたかを紐解いた。
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