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2021.12.03
[レポート] 大人の学びなおし第3クール 第1回講義 (2021/11/10)
大人の学びなおし第3クールの第1回講義は、名古屋大学 大学院多元数理科学研究科 大平 徹教授を講師に迎え、「確率と予測~数学は役にたちますか?~」(領域:数学)をテーマとして講演いただいた。(主催:一般社団法人中部圏イノベーション推進機構)
◇講演要旨
数学というと理系の科目のなかでも、最も純粋学問の部類で企業・社会活動には役にたたないという印象を持たれる方が多い。実際に現場で数式を使う方は、ごくごく少数である。
しかし、実は数学に基づくイノベーションは太平洋戦争時の米国による日本軍の暗号解読から、現代のオンラインショッピングを支えるシステムに至るまで、我々の日常を大きく変える力を持ってきた。最近ではコロナ禍の予測でも大活躍をしたところであり、人工知能や量子コンピュータの分野でも、ますます高度な数学が最先端を切り開いている。
今回の講義では、確率を中心に、同時確率、条件付き確率など、高校で学ぶ基礎的な確率のおさらいをしたあと、その知識だけでも、マーケット調査で使われているようなさまざまな未知数の推定が可能な事例や、事故などの原因の推定に使える事例(不良品発生時にどの工場で作られた可能性があるのかを求める方法など)を紹介した。
我々は、日常生活でも、常に予測をしながら生活している。しかし、実際に確率の問題を解いて具体的な数値を出してみると、我々のイメージとズレた意外な結果が算出されるということが度々発生する。
コロナウイルスの感染者数予測でも数学が活用されており、この数値は数理モデルによって計算されている。現在、データサイエンスが非常に注目されているが、数理モデルによって計算されたデータを分析し、そのメカニズムを考えるということも非常に重要であり、数学が役に立つということのポイントにもなる。
今回は、日常生活や企業活動など数学が活かせる場面について議論した。
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