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2022.12.05

[レポート] 第24回アカデミックナイト (2022/11/17)

名城大学の宮田 喜久子氏、愛知工科大学の西尾 正則氏を講師に迎え、「進む小型衛星開発―宇宙ビジネスの可能性―」をテーマとして講演をいただいた。

◇講演要旨
講演1 「小型宇宙機システムを用いた宇宙利用機会の拡大」
名城大学 理工学部 交通機械工学科 准教授 宮田 喜久子 氏

小型宇宙機システムと宇宙ゴミを取り扱う研究室で力学を主に研究した後、小型宇宙機を実際に制作し、産業化するプロジェクトにて回転制御や通信に携わり、その後のプロジェクトでは宇宙機の熱制御に携わるなど、様々な分野の制御に触れてきた。
近年、超小型人工衛星という費用対効果の高い宇宙機が宇宙ビジネスの敷居を下げる新たなコンテンツとして注目を浴び、多くの企業が参入している。これまでは宇宙機需要のほとんどが官需であり、主な利用が赤外線カメラによる画像撮影であった。
アメリカの調査会社によれば、小型宇宙機の需要予測は年々伸びていく予想であり、将来予測では官需よりも民需の方が伸びる予想となっている。
より多くの人々に宇宙を利用してもらうため、より安価で短納期な超小型宇宙機を研究開発している。小型宇宙機の利活用事例を増やすほか、大量生産や運用を見据えた開発、運用効率化や自動・自律システムの設計、小型・軽量化を促進する技術開発、相変化蓄熱材を用いた、より安全なシステム設計を補助するための各種設計開発、実証提案を行っている。
現在、宇宙ベンチャーと言われる企業の多くは、代表が次世代を担う30代~40代だという。小型宇宙機の利活用や小型軽量化はまだまだ未知数であるが、手のひらサイズの衛星開発や宇宙ビジネスがより身近になる未來を大いに期待させた。

 

講演2「極超小型衛星キューブサットをビジネスに利用するための試み」
愛知工科大学 工学部 電子ロボット工学科 教授 西尾 正則 氏

2010年以降、宇宙に向かった8機の極超小型衛星の開発に携わってきた。研究テーマは、機能を載せられるだけ載せて大きくした衛星ではなく、量産品としての超小型衛星開発の提供であるが、電子部品の小型軽量化や電力確保が課題となっている。現在はキューブサットをクラスター化するための要素技術に関する研究を進めている。衛星通信による高速インターネットはもちろん、宇宙宅配便や、衛星の光で空に浮かぶ広告、宇宙360度をメタバースで体感できるようにするなど、小型宇宙機の利活用の幅は広がっている。
宇宙とメタバースは繋がるべきものという力強い言葉は、これからの成長産業における大きな可能性を期待させたほか、日本初のキューブサット衛星通信網の構築を試みている事業会社の技術サポートもしており、プロジェクト参画企業を集めている。

 

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