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2024.02.22

[レポート] 大人の学びなおし第5クール 第8回講義(2024/2/13)

大人の学びなおし第5クールの第8回講義は、愛知県立大学からマーティン ベルドン先生を講師に迎え、「An International View of Active Travel」(領域:街づくり)をテーマとして講演いただいた。

 イギリスから来日して以来、日本ではちょっと近くのコンビニに行くにもよく自動車を使っていると感じる。実際、三大都市圏の交通手段別割合を見れば、特に中京圏は東京・京阪神都市圏に比べて自動車の利用割合が高く、しかも増え続けている。
 アクティブ・トラベルは、健康、交通、環境工学など、さまざまな要素を含んでいる。
日常生活の中で、自動車や電車を除く様々な交通手段をこの用語に含めることができるが、徒歩と自転車が代表的である。おそらくCOP26 の最終宣言に追加された影響も大きく、ここ数年、アクティブ・トラベルという用語は、学術的にも政府・団体の文献でもかなり注目されるようになっている。

 このような注目の高まりの理由には、アクティブ・トラベルがもたらす様々な好影響が考えられる。先進諸国で高齢化が進む中で、個人の身体的・精神的健康の向上と、その結果としての社会的医療費への影響、地球環境問題への貢献、交通事故や渋滞の低減、自転車による移動範囲内のよりローカルな消費行動促進による中小企業や小売店の活性化など、自動車での交通の利用を減らすことで得られる利益は包括的である。
 アクティブ・トラベルは特に欧米諸国で進んでおり、インフラ整備に対する大規模な資金投入も図られている一方、アジア諸国ではまだあまり進んでいない。日本では国の計画を受けてようやく地方自治体で方針が作られてきた所である。

 今回の講義では、アクティブ・トラベルに対する海外諸国(特に欧米)の政策や実施アイデアの紹介と日本の政策及び実施状況の比較や、愛知県内の良い・悪い実例写真の紹介などを通して、望ましい街のインフラについて考えた。
 海外の実例はロータリーや意図が明確な設計など、人の善意に頼らず仕組みで行動を強制するやり方や、人工芝や植えこみを造らずとも、駐車場の地面に緑のペンキを塗って鉢植えを持って来てパラソルを立てるだけで駐車場を公園らしくするというローコストな転換など、ユニークなアイデアがあり、日本でもシェアサイクルが広まっている今、参考にすべき例が多くあった。
 講師は大変フレンドリーで、会場参加者に対してクイズを行ったり、途中近い席の参加者とディスカッションする時間を設けるなど、普段とは異なる講義スタイルを「私の講義はアウトプットばかり。異文化でしょ?」と会場が温まる回となった。

 

 

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