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2024.02.09

[レポート] 大人の学びなおし第5クール 第7回講義(2024/1/30)

大人の学びなおし第5クールの第7回講義は、昨年に引き続き愛知県立芸術大学音楽学部の安原 雅之先生を講師に迎え、「クラシック音楽の楽しみ:名曲鑑賞のワークショップ」(領域:芸術(音楽))をテーマとして講演いただいた。

 クラシック音楽というと、「敷居が高い」「難しい」と言われることが多い。実際、分かりにくい部分は確かにある。特に初めて聴く長い曲では、音楽に日頃慣れ親しんでいる人でも分からないこともある。もちろん、1つの正しい聴き方があるわけでは無いが、今までよりもう少し、音楽に入り込んだり、もっと楽しめるのではないか、というポイントを、「聞く hear 」ではなく「聴く listen 」を意識しながら、いくつかの作品で体験した。

聴いた作品は、まずウォーミングアップとして
 6人(グループ)の「J.S.バッハ:インヴェンション第1番ハ長調BWV.772」の演奏を聴き比べ。
次に下記の5人のシャコンヌ/パッサカリアを鑑賞。
 J. パッヘルベル(1653-1706):シャコンヌ へ短調(作曲年不詳)
 G. F. ヘンデル(1685-1759):組曲第7番HWV 432 No. 6 パッサカリア (1720年以前に作曲)
 G. F. ヘンデル/J. ハルヴォルセン(1864-1935):パッサカリア(1894)
 J. S. バッハ(1685-1750):パッサカリアとフーガ ハ短調 BWV 582 – T. Koopman.
 J. ブラームス(1833-1897):交響曲第4番 ホ短調 作品98 – 第4楽章
途中、長野冬季オリンピックフィギュアスケートペア(フリー)でパッサカリアの音楽を使用したカザコワ&ドミトリエフの演技を、「音楽と演技」を意識して鑑賞。

次に交響曲の第1楽章(ソナタ形式)を、曲の展開を解説付きで追える形で2曲、
 W. A. モーツァルト(1756-1791):交響曲第40番 ト短調 K. 550 第1楽章 モルト・アレグロと
 P. I. チャイコフスキー(1840-1893):幻想序曲〈ロメオとジュリエット〉(1869, 1880 改訂)
を鑑賞した。

 同じ譜面でも演奏者や楽器等によって全く異なる楽曲に聴こえたり、音楽をその構造や展開を意識して聴くことでまた異なる情景を思い浮かべられたりと、音楽の楽しみ方と刺激の受け方が変わる講義であった。

 当日、会場では音響トラブルもあった中で、参加者からは「音楽に対する興味が高まった」「ぜひ続編をお願いしたい」など、新たな学びと刺激を受け、講義を楽しめた様子が伺えた。
 ぜひ、平日の仕事終わりや休日など、音楽に親しむ時間をこれから楽しんでいただきたい。

 

 

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