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【レポート】リベラルアーツナイト第7クール第2回 歴史(2025/10/29)

2025.11.06

【レポート】リベラルアーツナイト第7クール第2回 歴史(2025/10/29)

■リベラルアーツナイト概要
“知に出会い、アップデートする夜

時代の課題の真因を探索し、問いを立てる能力が求められる中、リベラルアーツの重要性が認識されています。10名の講師がリレー形式で現代社会を読み解き本音で語ります。

■第2回:歴史

本講座では、戦国大名を「国内の合戦の勝者」としてではなく、「地域国家の為政者」として捉える新たな視点が提示されました。鹿毛先生は、戦国時代の大名たちが中国、東南アジア、ヨーロッパ諸国と外交関係を築いていた事実を、豊富な史料とともに紹介。偽造印鑑を用いた外交演出や、ポルトガル・カンボジアとの書簡のやり取りなど、従来の日本史教育では語られない国際的な活動が明らかにされました。
秀吉による強硬外交と朝鮮出兵、家康による書簡外交と朱印船貿易の展開など、戦国末期から江戸初期にかけての外交政策の変遷も丁寧に解説。特に「鎖国」は単なる閉鎖ではなく、外交権の一元化を目指した積極的な戦略であったという指摘は印象的でした。
講座の終盤では、戦国時代を「暴力の勝者の物語」として語る歴史観から脱却し、内政・外交・文化の営みを重視する新しい歴史像の必要性が語られました。堤防や都市設計、交易政策など、地域社会の発展に尽力した大名の姿を通じて、歴史を「暮らしとつながるもの」として捉える重要性が強調されました。
戦国時代を世界史の中に位置づけることで、現代の平和外交や国際理解にもつながる深い学びの時間となりました。

 

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