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【レポート】リベラルアーツナイト第7クール第8回 経済(2026/2/18)

2026.03.26

【レポート】リベラルアーツナイト第7クール第8回 経済(2026/2/18)

■リベラルアーツナイト概要
“知に出会い、アップデートする夜”
時代の課題の真因を探索し、問いを立てる能力が求められる中、リベラルアーツの重要性が認識されています。10名の講師がリレー形式で現代社会を読み解き本音で語ります。

 

■第8回 経済

トランプ政権と気候変動政策

本講座では、京都大学公共政策大学院教授の諸富 徹氏をお迎えし、「トランプ政権と気候変動政策」をテーマにご講演いただきました。
単なる国際政治の話題にとどまらず、「経済」「産業」「イノベーション」という視点から、世界と日本の進路を考える示唆に富んだ内容が展開されました。

講演の中心は、トランプ政権が進める『気候変動政策の“解体”』です。パリ協定からの離脱、連邦環境保護庁(EPA)の権限縮小、再生可能エネルギー支援の停止など、一連の政策は、オバマ・バイデン政権が積み上げてきた気候政策の土台そのものを揺るがすものでした。特に注目すべきは、温室効果ガスを「危険な汚染物質」と認定した科学的・法的根拠を覆そうとする動きであり、これは政策変更ではなく、制度と科学への挑戦だと指摘されました。

一方で諸富氏は、「政権が変わっても止められない流れ」が存在することも強調しました。再生可能エネルギーはすでに経済合理性を持ち、多くの州や企業は脱炭素の方向へ動き続けています。実際、州政府による連携や訴訟、民間投資の継続など、連邦政府とは異なるレベルでの“反作用”も起きています。

また、インフレ抑制法(IRA)の見直しがもたらす影響については、発電コストの上昇、EV市場の縮小、雇用創出機会の喪失など、アメリカ経済そのものに跳ね返る可能性が具体的なデータとともに示され、「安価なエネルギーを得るはずの政策が、結果的に国民負担を増やすかもしれない」というショッキングな指摘もありました。

世界の分断と転換点に立つ今、私たちはどの技術に投資し、どの未来を選ぶのか。、本講演は、その問いを私たち一人ひとりに投げかけ、何を学び、どう行動するべきかを考える貴重な時間となりました。

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