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2021.01.28
[レポート] 大人の学びなおし第2クール 第5回/哲学・科学哲学 (2021/01/13)
大人の学びなおし第2クールの第5回講義は、名古屋大学 大学院情報学研究科 戸田山 和久 教授を講師に迎え、「教養とは何かを再定義する」(領域:哲学・科学哲学)をテーマとして講演いただいた。
◇講演要旨
「教養」というのは、摩訶不思議な概念である。一方で、なんとなく大事に思われているが、もう一方で、胡散臭がられ、軽視されている。日本の大学では、戦後間もなく導入された教養教育がどんどん骨抜きにされ、専門教育の準備、下請けという位置付けになってしまった。崇められると同時に軽んじられる、両義的な概念である。
今回は、この不思議な概念「教養」を俎上にあげて分析し、21世紀にふさわしい教養概念を定義し直すことを試みる。その手掛かりとして、以下の3つの問いをもとに教養の全体像を考えた。
問1.教養は豊かな知識と結びつけられて語られることが多いが、ネット検索の時代に使い道のない知識を蓄えることにどんな意味があるのか?
問2.一方で教養は単なる知識にとどまらないと考えられているようだが、教養=知識+αの「α」とは何か?また、それがなぜ大切なのか?
問3.世の中ではけっこう教養は大事だと考えられているように見えるのに、大学でこんなに教養教育が不調なのはいったいなぜ?
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