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2021.03.31

[レポート] FUTURE OF DIGITAL デジタルの未来 2021 (2021/03/11)

デジタルトランスフォーメーション(DX)への関心が高まる中、デジタル技術によって創造される未来社会を考えるイベント「デジタルの未来」(主催:中部圏イノベーション推進機構、後援:中日新聞社)を開催した。オンラインを中心に約240名が参加し、講演およびパネルディスカッションを実施。デジタル技術の最新動向について理解を深め、取り組むべきDXの考え方などについて、さまざまな角度から議論した。

第1部 基調講演「デジタル技術の最新動向」

NVIDIAエンタープライズ事業本部の鈴木博文氏が登壇し、最新AI技術の活用事例を中心にデジタル技術の最新動向を紹介した。ディープラーニング(深層学習)を利用したデータ分析、ビジュアライゼーション、音声認識などの技術により、気象、小売り、農業、物流、エンターテイメント、建築、ヘルスケア、自動運転技術など、さまざまな領域においてNVIDIAがパートナー企業と行っている最新事例を説明した。各種の先進的な取り組みが既に社会実装されており、聴講者からは「取り組みの革新性とスピード感に唖然とさせられた」などの声が聞かれた。

第2部 パネルディスカッション「デジタル社会とは何か?DXの本質は?」

モデレーターにimaCEOの三浦亜美氏(写真左)、パネリストに東京大学教授の松尾豊氏(オンライン)、名古屋大学講師の浦田真由氏(写真中右)、旭鉄工/i Smart Technologie社長の木村哲也氏(写真中左)、TechMagic社長の白木裕士氏(写真右)の5名を招き、デジタルによって創造される未来社会を考えるパネルディスカッションを実施した。前半は、デジタル社会とは何か、デジタルを活用して社会をどのように変えていけばよいのか、登壇者の各専門領域の立場から、取り組みやDXを進める上での考え方を対話した。後半は、デジタル活用で周回遅れと言われている日本に足りないもの、デジタル化に向けたスタートアップ企業への期待について核心的なコメントを共有した。木村氏は、AIなどのデジタル技術は課題解決の手段であるため、利用者視点で仕組み自体を変えていく必要性があり、その過程では失敗が許容されるべきと語った。松尾氏は、DXを矮小化せず未来像を描き、シリコンバレーの真似をするのではなく日本人の心に合った方法で取り組むべきとコメントした。最後は三浦氏がパネリストの発言を総括して締めくくった。

第3部 講演「NTTグループの考える未来像」

NTT研究開発部門IOWN推進室長の川島正久氏が、光電融合技術と光通信技術の開発により次世代通信、コンピューティングインフラの実現を目指すIOWN構想を紹介。通信の大容量化と低遅延、低電力化を同時に実現可能と語った。続けてドコモCS東海法人事業部長の髙橋健氏が、高速大容量、低遅延、多数同時接続に対応する5G移動通信の活用事例、あらゆるものが常にネットワークにつながる世界観を紹介。実機デモも実施した。「5Gはあくまで通信基盤であり、デジタルを活用した社会課題の解決、新たな価値創出をしてこそ意味がある。皆様と一緒に考えていきたい」と強調した。

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