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2021.03.16

[レポート] フューチャーコンパス第21回講演会 (2021/01/22)

リアルテックファンド 代表で(株)ユーグレナ 取締役副社長COOの永田 暁彦 氏を講師に迎え、「リアルテックファンドの歩みと地方におけるリアルテックの可能性」と題して講演をいただいた。

【講演要旨】

1.日本発リアルテックの可能性
日本はこれまで、ものづくりや技術力の高さで世界をリードしてきた。今は、IoTを利用したサービス型ビジネスに注目が集まりがちだが、日本がグローバルで勝てる可能性の高い分野は、やはり技術系や研究開発型企業ではないだろうか。
リアルテックファンドは、リアルテック※領域のベンチャーを支援するエコシステムの構築に取り組んでいる。社会課題の解決を目標とする「リアルテック」に力を入れるのは、イシューやペインがある所でこそ、技術が生かされると考えるからである。そして、「この課題を解決したい」という強い思いをもつ開発者は、目標達成の熱量が際立っている。
※リアルテック:地球や人類の課題解決に資する、エレクトロニクス、 バイオ、新素材など研究開発型の革新的テクノロジー

2.イノベーションエコシステム構築のために
日本各地には質の高い技術シーズが、まだ豊富に眠っている。研究開発費の約70%は東京都以外へ分配されていることから、技術は日本全国に散在しており、テック系ベンチャーの多くは地方で誕生している。それにもかかわらず、日本のベンチャー投資の75%は東京都に集まっており、十分な資金と人材が流れていない。
さらに、テック系企業には、創業期から試作や実証試験、製造ライン構築など、自社単独では難しいステップが多いという特有の難しさもある。可能性を秘めたシーズを社会実装に結び付けるには、地元企業、地銀、自治体などが一丸となって連携し、支援するエコシステムの構築が必要である。

3.地方発テックでグローバルに挑戦を
日本の技術がグローバルマーケットにチャレンジできる可能性は十分にある。そして、テクノロジーは「しくみ」や「意識」だけで変えられないものを解決する潜在力がある。地域課題の解決だけにとどまらず、大きなソーシャルインパクトを与える新産業になるよう、地域全体で応援し、グローバルビジネスに押し上げていってほしい。素晴らしいテクノロジーを実用化すれば必ず社会は良くなると信じている。

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