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2021.04.01

[レポート] フューチャーコンパス第22回講演会 (2021/02/19)

Global Mobility Service代表取締役 社長執行役員/CEOの中島 徳至 氏を講師に迎え、「世界の貧困層・低所得層17億人を救う金融包摂型FinTechサービス」と題して講演をいただいた。

【講演要旨】

1.誰一人取り残さない
ローン審査を通過しない人が世界で17億人もいる。例えば、フィリピンでは人口の約90%が審査を通らない。経済成長著しい途上国では、車を活用すれば仕事の幅が広がり所得は増えるが、現金も与信もないため新車の購入は叶わない。日々真面目に働き、月々の返済能力がある人でも、貧困から抜け出すチャンスを得られない。さらに悪いことに、貧困は次の世代へと連鎖する。
私は、金融サービスにアクセスできない貧困層・低所得者層を救い上げたい、頑張る人の人生を変えたい、という思いで、Global Mobility Service(GMS)を創業した。彼らこそ、真にファイナンスを必要としている。

2.新たな信用の創造を実現
GMSは、車やバイクに搭載した機器(MCCS/Mobility-Cloud Connecting System)を通じて利用者の情報を遠隔で見える化し、その働きぶりを金融機関に情報提供することで、利用者に新たな「信用」を創造した。月々の支払いが滞れば、MCCSを通じて停車中の安全なタイミングにエンジンを遠隔でロックし、支払いを促すこともできる(支払い後はすぐにロック解除される)。この仕組みを通じて多くの人がローンを組めるようになった。デジタルデータを活用して、業界を超えた枠組みを創出し、金融業界や自動車業界単独では対応できなかった社会課題を経済性で妥協することなく解決した。

3.データ活用でソーシャルイノベーションを
フィリピンでは、すでに多くのサービス利用者がローンを払い終え、車やバイクを自分の資産として手にしている。誰にでも平等に機会が与えられ、真面目に働く人が評価される仕組みをつくることで、世界から貧困をなくしたいと考えている。
与信情報を皮切りに、GMSではセンシングデータや金融データ、決済データを統合・分析することで、さらなる情報の価値化に取り組んでいる。これからも、デジタルデータを活用したプラットフォーマーとして、さまざまなサービスを提供し、ユーザーの生活の質をより豊かにしていきたい。

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