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2021.06.08

[レポート] ビヨンド ザ ボーダー第4クール 最終成果 発表会 (2021/03/19)

ビヨンド ザ ボーダーは、中部の将来を担う若手を、起業や社内ベンチャー、既存事業の改新などを推進する「イノベーションドライバー」として育成することを目的としたプログラムである。今回、新型コロナウイルス対策として、会場での発表をオンライン配信することにより、総勢90名が参加して第4クールの最終成果発表会を開催した。

第4クールは、さまざまな業種、職種から集まった23名の受講生が、2020年10月から半年間にわたり、新規ビジネス創出のマインドセットやデザインシンキングなどの手法を学び、異業種共創でビジネスプランをつくり上げてきた。
最終成果発表会では、5つのチームがビジョンやミッション、練り上げてきたビジネスモデルについて発表を行った。その後の審査では、名古屋大学の安田孝美教授をはじめ各界を代表する6名の審査員が、さまざまな観点から質疑や講評を行った。

最優秀チームには、日本の抱えている林業の衰退という課題に向き合い、林業を自立させるための方策を提案した「森林再生プロジェクト」が選出された。人工衛星によるデータ収集を森林の場所・広さ・生育量・樹種などを特定できるよう機能拡張し、木材の需給情報マッチングによる生産性向上と収益化を目指した内容で、森林備蓄量が豊富で航空宇宙産業が集積する中部圏ならではのビジネスモデルだと評価された。
また、審査員特別賞には、身の回りの伝統工芸などの技術と遊び・体験を融合した理科学習を通じて、理科離れによる日本の科学技術力低下を防ぐことを提案した「アソビエンス」が選ばれた。子どもたちが体験を通して、自然に理科の楽しさ、面白さを実感することができる仕組みを考えた。

第4クールではこれまで以上に、「それは本当に世界に必要か」「そこに自分たちの存在理由はあるのか」という基本マインドに焦点を当て、問いや対話を繰り返してきた。その結果、どのチームのビジネスプランも提供価値が磨き抜かれており、骨太な良い提案が増えたと評価された。
最後に、受講生から感想や今後に向けた決意として、「研修で終わることなく、ビジネスプランの実現に向けて進めていきたい」「自分に何ができるのか、会社で何ができるのか、正面から考え直すことができた」「異業種の方と本音で語り合える信頼関係が築けた、これからも発展させていきたい」などの声が寄せられた。受講生たちの今後の活躍に期待したい。

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