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2022.04.23

[レポート] 第19回アカデミックナイト (2022/3/10)

第19回アカデミックナイトでは、「光を利用した先進技術」をテーマに名古屋大学工学研究科准教授 王 謙 氏と名城大学理工学部教授 大脇 健史 氏の2名にご登壇いただいた。

【 講演1】 光触媒シートの開発 ~人工光合成によりCO2と水と太陽から燃料を作る~
【 講 師 】 名古屋大学工学研究科 准教授 王 謙 氏
植物の光合成を人工的に実現する人工光合成の研究は、水を分解して水素をつくる研究や植物のように二酸化炭素と水を原料に用いて有機化合物をつくる研究が世界的に活発である。人工光合成によってつくられる物質が、水素やプラスチックなどの化石資源を由来とする物質と置き換えることができれば、地球温暖化と化石燃料の枯渇を同時に解決することができる。人工光合成は、炭素循環やカーボンニュートラルの実現に貢献する技術の選択肢の一つとして期待されている。
研究室では、人工光合成で重要な役割を担う光触媒の研究を行い、光触媒シートを開発した。この光触媒シートは、補助電力、電子伝達剤などを使わずに水中で太陽光を照射するだけで、純水を水素と酸素に分解し、太陽光―水素エネルギー変換効率は、世界最高クラスの1.1%を達成した。また、実用化を目指して、製造プロセスの開発も進めており、今後、より高効率な光触媒を開発し実用化を目指す。

【 講演2】 可視光応答型光触媒による環境浄化
【 講 師 】 名城大学理工学部 教授 大脇 健史 氏
大気汚染や室内汚染は我々にとって身近な課題であり、「空気を浄化したい」「菌やウイルスを減らしたい」などの要望は数多くある。研究室では、光触媒を利用してこの課題解決に取り組んでいる。
光触媒とは、光があたることによって触媒になる物質であり、そこで生じた酸化力が、防汚・消臭・抗菌・抗ウイルスなどに利用されている。光触媒は、「太陽光、室内光を利用できる」「半永久的に使用できる」という長所があるが、「光がないと機能しない」「大量処理には向かない」などの短所もあげられ、長所と短所を踏まえて利用することが重要である。新型コロナウイルスに対する抗ウイルス性も確認されており、今後、「空気浄化・水浄化」「身の回りの製品表面の抗菌・抗ウイルス加工」へのさらなる展開が期待される。

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